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税務

海外移住で税金を逃れる方法はどうなる

2017.01.13

honnkion

平成29年度与党税制大綱が12月に発表になりました。この中であまり新聞等で話題にはなりませんが、外国籍かつ海外在住の子供などに本人が海外に移住して相続させる方法がほぼ塞がれることになりました。本人が海外に移住しても「10年以内に国内に住所があった場合」には国外財産も相続税(贈与税)の対象になったからです。以前は「5年以内に国内に住所があった場合には」だったので、短期的に移住して国外に移転した財産に対する相続税等を回避しようという動きが一部富裕層ではあったようです。29年4月1日時点で5年を超えないこのスキームの対象者は後5年我慢するのかあきらめるのかしなければなりません。

私は節税は当然納税者の権利とは思っていますが、経済合理性上不自然なスキームを作ってまで税金回避する(いわゆる租税回避行為をする)ことはお勧めしていません。基本的に相続や贈与も税金が高いとはいえもらった以上のものが出ていくわけではありません。海外移住スキームで皆さんもなんとなく記憶にあるのは武富士事件でしょう。簡単にいうと武富士の創業者が息子を香港に移住させ、武富士の株を多く所有している外国法人の株を贈与したものです。当時の税法は海外移住者に対して贈与・相続税は課されなかったので海外移住スキームの先駆けとなりました。武富士自体当時別に香港で事業を行ってはいませんので、単に租税回避のための移住であるのは明らかでした。税務当局は何とか課税しようと手を尽くしたのですが、結局敗訴、2000億円もの還付が生じ国の財政にも影響を与える大事件になってしまいました。

ただし、武富士自体は2011年会社更生法を申請して事実上倒産しました。結果としては税金では勝ったのですがビジネスで負けてしまいました。武富士は上場会社でしたから非上場株式のように処分はできないど値段はつくような非合理なことはありません。自分は富裕層ではなく、子孫に美田は残さず的発想なので、自分の財産を守って次の代につなげればという強い富裕層の気持ちが理解できないだけかもしれません。しかし、不自然な仕組みを作るとそのひずみはどこかに出てくるような気がして仕方ありません。個人的には財産運用については「知恵は使いつつも、自然体でいこう」と思うのです。

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