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税務

羊頭狗肉の「マイナンバーで医療費控除」

2016.11.28

 

mainanba-

いきなり寒くなり体調が今一つな日々です。さて、土曜日の日経夕刊で「マイナンバーで医療費控除」という記事がのっていました。マイナンバーを用いることにより医療費控除が楽になるという趣旨の記事です。現状では、医療費控除は領収書を集めて医療機関ごとに明細を作り税務署に送付することが必要でした。

今回、「マイポータル」を利用して個人サイトに医療費通知を送ってもらい利用者はこのデータをネット経由で税務署に送るだけで医療費控除はできてしまうという触れ込みです。一見すごく楽になるように聞こえますが実は違います。一つとして領収書を送付しなくてよいが保管義務は存在するので領収書をきちんと集めないといけないという部分は全く変わりません。また、「利用者はこのデータをネット経由で税務署に送る」と聞くとネットショップの購入程度の手間と普通の方は想像しますが、マイナンバーカードとそれを読み取るカードリーダーの購入、そしてその設定が必要です。そして、確定申告自体をE-TAXを利用して送付する必要があると想像されます。まとめると一見すごく簡単になるように聞こえますがせいぜい明細の作成をしなくても良い程度のメリットかと思われます。

税理士にとってはE-TAXは便利ですが、多分普通の年一回しか使わない方にとってはかなり使い勝手が悪いと想像します。所詮「お役所感覚」のシステムの域をでません。税務当局としても確定申告時の税務署の大混雑の解消のためにもE-TAXの推進をうたっており、私もこの方向性は賛成です。この医療費控除の件もE-TAX推進と不評なマイナンバー導入のメリットも主張したいということだと思われますが何だか中途半端です。こういった小手先の手段ではなくE-TAXの使い勝手をもう少し個人の型でもなじめるようなレベルまでよくすることが大切だと思います。

毎年1回は確定申告の無料相談で税理士会に協力することにしていますが、練馬区は中学生まで医療費が無料なこともあり、医療費控除の相談はたいていご老人です。こういった方々が新しい仕組みを使えるとは思いにくいですね。

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