なぜ日本に研究開発型のベンチャーは少ないか -理系音痴から見た研究開発の動向

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今朝の日本経済新聞で日本のGDP(名目国内総生産)に対する研究開発費の比率は3%と欧米とそん色ない一方、営業利益との比率でみると欧米の3分の1と効率が悪いと取り上げていました。この原因として研究開発費の大企業が占める割合が日本は89%でほぼ大企業であり、そして大企業における研究開発は9割が既存技術の開発で占められているからと解説しています。目先の開発を追った方が短期的には利益につながるのではないかと思うこともあり、「既存技術の開発」が「営業利益が低い」理由としては弱い説明だとは思います。ただ、現在の大企業中心の研究開発の効率性の悪さは確かだと思います。

私のあくまで印象ですが日本のベンチャー系で優秀な人が多い分野は営業・マーケティング系と技術系ではIT系が多い気がします。そしてIT系の技術者の場合、割と個人で勉強してきたオタク系の特に優秀な大学(院)を卒業したわけでもない方でも、優秀な技術者は存在しており、そのような方々は割とベンチャーなどでも活躍しています。一方、実験設備などが必要なその他の分野はやはり優秀な方は一流大学の大学院卒に集中しており、かつ大企業に集中している気がします。これもあくまで個人的な印象ですが厳しい受験勉強のある意味弊害なのか、とにかく勉強することが好きです。ひたすら論文を読み、学会などで情報収集をして勉強するのですがインプット偏重でアウトプットは比較的言われたことを淡々とこなす方が多い気がします。ただ、実際、島津製作所の田中氏や、青色ダイオードの中村氏などのノーベル賞を受賞できるような革新的研究を生む研究をやられた方も企業にはいらっしゃるので、自分の見方は誤りかもしれませんが、このような技術系の方は少ない、または減っている感は強いです。

日本の大企業もこの部分オープンイノベーションによりベンチャーや大学の研究機関と連携する取り組みを増やしているようです。ただ、これもまだ顕著な成功例はあまり見かけません。一つにはやはり日本の大企業の意思決定など動きの遅さが挙げられるでしょう。以前ベンチャーの役員をやっていた際、ある大企業と技術開発の提携交渉を行ったのですが、こちらサイドは基本的には技術者(インド人)と社長と私の3人、しかし先方は何と15人くらいでした。どうやらこの会社においてはいろいろな分野と関係するのでたくさんの方々が出てきたようです。よく理系の研究の問題点で割とタコツボ的に研究が進み、業際的研究というものは割と弱めということが挙げられますが、この企業でもそのような傾向なのではと推測されました。ただ、私のイメージではこういった提携の取り組みを始めるのに必要なのは、提携の必要性を判断できる方と意思決定できる方(または直接具申できる方)がいれば十分でその他の方は不要です。それだけが原因ではないですが、やはりとにかく進みが遅くこの提携は流れてしまいました。

まとめるとIT系を除き、優秀な人間はベンチャーには流れてこない。かつ優秀な一流大学卒は「勉強熱心」だが「研究成果」は言われたことを淡々とこなすタイプが多い、そして大企業の研究職はタコツボ的でかつ意思決定が遅いこのあたりが原因ではないかと思います。ただ、あくまで理系音痴が外からかいま見た印象で書いていますのでそのあたりご容赦いただければと思います。

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