PCデポの株価下落は予想できたか?

PC depo

PCデポが80歳過ぎの会員がプレミアムプランというパソコン等のサポートプランを解約したところ解約料10万を請求された(もともとは20万を請求されて交渉の結果10万に値下げとネットの記事では書いてありました)という親族の書き込みで株価が大幅に値下がりしているようです。8月6日は1600円をつけていたので昨日の終値が790円でほぼ半額になりました。日本経済新聞の記事では「投資家もアナリストもみな業績という見た目の数字の成長を見て浮かれていた」「公表情報を丹念に調べていれば今回のような問題が起きるリスクは事前に分かっていたはず」などと投資家やアナリストを批判しています。

私も「見た目の数字」をみましたが、2016年の売上の517億のうちパソコンなどの商品の売上とプレミアムサービスといったサービスの売り上げが半々で、サービス部門で継続的に稼いでいることがよくわかります。購入時に面倒な無線ランの設定などをやってくれて様々なトラブルも応対してくれるのはありがたいサービスですし、特にデジタル機器が苦手な高齢者にとってはありがたいです。自社のルーターサービスの構築やサービスの構築な意外に模倣は簡単ではなくビジネスモデル的には優れていると思います。

問題となったファミリーワイドプランは月額5500円でパソコン10台まで設定といった1人暮らしの老人にはどう考えても必要のないオプションが入っています。ただ、今回のケースはIpadの設定にはこのプランが必要なようでこの老人の方は加入したようです。確かに不要なオプションを付けた高額のサービスを本当に売ってしまうという姿勢はあまり感心しませんが実は他のサービスを安く見せるために高いサービスを見せておくというのはよくあることです。

問題なのは利益至上主義な点でしょう。業績管理が非常に厳しく、特に会社ぐるみで不当な販売方法を強く推し進めていたという形跡はあまり見られないようですが業績を上げるために店長が暴走しても数字を挙げている限り問題とはしていなかったようです。よく「業績管理が厳しいから問題が起こった」という声を聞きますが、それ自体が問題なのではなく「業績」を売上数字など単純な指標だけで管理していることに問題があります。業績管理が厳しいが優良な企業は一方で顧客対応や従業員満足度など短期的な売上だけでなく他の指標でも評価しています。評価指標がゆがんでいると長期的には企業の命取りになるので非常に慎重な対応が必要です。いわゆるキラーKPI(評価指標)の設定が大切なわけです。(各企業に合ったキラーKPIの設定はサポートしておりますのでご興味がある方は↓までお問い合わせください。)

さてアナリストや機関投資家が見抜けなかった点です。利益至上主義というのは少なくとも短期的にはやはり業績が上がり株価も上がりますので、勧めない、投資しないという姿勢は難しいかもしれません。まぁ、どこかビジネスの進め方に倫理性の欠如が見えた場合その企業を勧めない、買わないといった姿勢をもったアナリスト、機関投資家は存在しても良いとは思いますが。しかし所詮短期的に儲けたい方も多くいるわけでこれを「表面的数字だけ見ていた」と評するのはやや厳しすぎると思います。お問い合わせは↓まで

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