デルタ航空の成田路線撤退

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デルタ航空が成田3路線から撤退するということが今朝の日本経済新聞で取り上げられていました。以前はデルタと経営統合する前のノースウェスト航空(NW)が成田をアジアのハブ空港(乗り継ぎの中心として利用すること)として用いていたためその路線を引き継ぎ運航していました。しかし、羽田発の米国便が増発されることにより成田便の採算が悪くなることが予想され撤退になったと新聞は報じています。

15年くらい前になりますが米国の東海岸に出張に何度か行った際、米国企業勤務であるためNWのビジネスクラスを利用していたのですが、中国語または中国語なまりの英語を話す方が非常に多く日本人は数えるほどしかいなかった記憶があります。アメリカの航空会社の粗雑と思えるサービスを避ける日本人は多く(NWのビジネスよりANAのエコノミーの方がましだといった方などもいました)、そういった意味で今回中国にシフトするのはうなずける動きではありますが寂しさを覚えます。

長らくアジアのハブ空港争いは韓国の仁川(インチョン)と成田が争っていました。韓国の場合仁川に集中投資し国際便の70%を集中させるということでハブ空港化を積極的に推し進めていました。旅客数は2015年で5000万人近くとなりましたが、逆に集中化が進んだ一方民営化計画などがおくれ空港収容の限界を超えてしまい成長に限界が出ていると中央日報などでは報じられています。一方で新たなライバルとして登場してきたのが中国で北京に滑走路7本で年間1億3000万人を収容できる巨大空港を建設中です。上海でも4番目の滑走路が昨年完成し5番目の滑走路を建設中です。中国は国土が広いので国内輸送を中心としてきましたがいよいよハブ空港化に本格的に乗り出してきました。

一方成田は24時間空港ではなく、発着枠も30万という制限、そして首都圏から遠いというのが欠点と言われています。しかし外国人から一番言われるのがタクシー料金の高さです。私も海外出張の際、やはり鉄道やリムジンバスは面倒なので空港からタクシーを使いますがたいてい5000円以下、少なくとも1万円は超えた記憶がありません。しかし、成田の場合2万円を簡単に超えるので個人では使ったことがないですし、会社勤務のころも基本的に禁止でした。乗継ならば構いませんが外国人がビジネス利用で訪問するならばやはり羽田でしょう。

仁川も巻き返しにかかっているようですし、中国はその旺盛な需要をもとに力技でハブ空港の座を奪いに来ています。日本もそろそろ地方空港などの分散投資をやっている余裕はないはずです。東京オリンピックは首都圏空港整備の最後のチャンスだと思うのですがいかがでしょうか?

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